ヨシキリザメやモウカザメ、アオザメの尾鰭や背鰭を乾燥させて作られる鱶鰭(フカヒレ)は、中国では魚翅(ユイツー)と呼ばれ、排翅(パイツー・鰭の形をしたもの)と散翅(サンツー・鰭をほぐして筋だけにしたもの)とがありますが、紅焼排翅は形のまま高級スープを使い醤油煮したもの。皮付きの乾燥品を、三日ほどかけて皮を取るとともに生臭さを抜いて柔らかくもどし、そのあと高級スープで蒸して旨味を含ませるまでが下準備。あらかじめ下処理をすませた冷凍のものを使うと、手間が省けて便利です。

フカヒレ(魚翅・ユイツー)はツバメの巣とともに中国料理きっての珍味とされる。「フカヒレを食べた」という最初の記録は、明代16世紀末に書かれた『本草綱目』に見られる。つづいて清朝・乾隆帝の時代、食通で知られる袁牧(えんばい)の著した『随園食単』のメニューに紹介され、さらに「満漢全席」の豪華絢爛といわれた宴の記録にたびたび登場する中国名菜である。「食は揚州にあり」とうたわれたように、当時の食文化の中心は中国江南地方。このグルメ素材としてのフカヒレは、江戸中期の長崎からナマコ(海参)、乾燥アワビとともに「俵三品」として中国へ輸出されていたものである。

<作り方>
1. フカヒレはボールに入れ、上湯、紹興酒、胡椒、乾燥貝柱、葱、生姜を加えて蒸し、スープの旨味を含ませる。
2. 軽く水切りした豆腐、包丁の背でたたいてペースト状にした鶏のささ身と豚の背脂を別々に裏ごしする。
3. 2をボールに入れてビーターで混ぜ合わせ、塩、酒、上湯、砂糖で味つけし、つなぎに卵白と片栗粉を加える。
4. チリレンゲにラードを塗ったものを型にして3をのせ、ヘラで形を整えて蒸し器に入れ、弱火で四〜五分蒸す。
5. 蒸している間に豆腐にかける餡を作る。鍋に上湯を入れて沸かし、塩、酒、砂糖、胡椒少々で下味をつけ、水溶き片栗粉でとろみをつける。
6. 蒸し器から取り出した4をチリレンゲからはずして5の餡をかけ、上に中国パセリの葉と茹でて裏漉しした卵黄を飾る。
7. 熱した鍋に油を少量入れ、外葉をはずした青梗菜の芯を縦切りにしたものを炒めてすぐに上湯、塩、酒、胡椒で味つけし、かねの皿で蓋をしてサッと煮る。煮汁を捨てて少量の水溶き片栗粉を加えて残りの煮汁をチンゲンツァイにからませ、葱油で香りづけをして取り出す。
8. 油をならした鍋に上湯250ccを入れ、醤油大さじ1、牡蠣油(オイスターソース)小さじ1、酒大さじ1、砂糖小さじ1、胡椒少々で味をつける。
9. ここに排翅(パイツー)を入れ、一度沸騰させてから弱火でじっくり煮込む。
10. 煮汁が1/2ほどになったら、味を整え水溶き片栗粉でとろみをつけ(この時、鍋を持ち上げて一方の方向に回しながら水溶き片栗粉を入れるようにする)、とろみのついた煮汁を排翅(パイツー)の上からかけながらさらに水溶き片栗粉を加えて全体をとろみで包んでしまう。
11. 排翅(パイツー)にとろみがしっかりからみついたところで鶏油(とり油)と葱油(ネギ油)を少量加え、コクと香りをつける。
12. 皿に青梗菜と豆腐をのせ、排翅(パイツー)を盛る。



材料・
2人分
鱶鰭 2枚
上湯(高級スープ) 300cc
干し貝柱 2個

絹ごし豆腐 200g
鶏のささ身(ミンチ) 40g
豚の背脂(ミンチ) 40g
卵白 1/2個
片栗粉 小さじ1
卵黄 1個
中国パセリ 適量
塩、酒、上湯、砂糖 各少々

青梗菜 1株
上湯 100cc
塩、酒、胡椒、
水溶き片栗粉
各少々
上湯(シャンタン)…4リットル
 ひね鶏1羽(4kg)に水8リットルと葱・生姜各適量を弱火で4時間ほど煮込む。
二湯(アールタン)(二番出し)…2リットル
 上湯をとった残りの材料に再び3リットルの熱湯を加え、弱火で一時間ほど煮込むと二番出しがとれる。



横田 文良教授 TEC日調
辻学園調理技術専門学校
中国料理研究室

横田 文良教授
TSUJI ACADEMY
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